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庚申さんの身代わり申
霊験あらたかな庚申信仰のお守り
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 奈良町の家の軒先に赤いぬいぐるみがぶら下がっている。これは、「庚申(こうしん)さん」のお使いの申を型どったお守りで、魔除けを意味し、家の中に災難が入ってこないように吊るしているのである。災いを代わりに受けてくださることから「身代り申」とよばれている。
  また、背中に願い事を書いてつるすと、願いが叶うといわれ「願い申」ともいう。
  「庚申さん」とよばれる青面(しょうめん)金剛像は、西新屋町の当館にまつられている。中国の道教の教えを説く庚申信仰は、江戸時代に民間信仰として庶民にひろがった。 言い伝えによると、人の体の中に三尸(さんし)の虫がいて、庚申の日の夜に人が寝ているあいだに体から抜けだし、天帝にその人の悪事を告げにいくという。 その報告により寿命が決まるというので、人々は六十日に一度回ってくる庚申の日は、寝ずに「庚申さん」を供養したという。

 徹夜の習わしはなくなったが、身代り申をつるし、庚申さんをまつる信仰は、今もこの町に息づいている。

   
庚申の夜は寝てはいけません
庚申さんのいいつたえ
奈良市西新屋町十四
電話 0742−22−5509
(開館日時)
土曜、日曜、祝日のみ
午前10時から午後4時
(入館無料)

 「庚申信仰」に関しては諸説がありますが、中国の道教の守庚申というのが、奈良末期に日本に伝来され、日本固有の信仰と交じり合い発展したのではないかといわれています。仏教が極楽往生を説くのに対し、道教では現世利益が叶えられるとあって江戸時代には民間信仰として庶民に広まりました。ここ奈良町資料館にも青面 金剛像(しょうめんこんごうぞう)をまつり、庚申信仰が受け継がれています。「庚申さん」と親しみを込めて呼ばれている「庚申」とは「かのえ・さる」つまり十干(甲乙丙・・)と十二支(子丑寅・・)の組合せによるもので、昔は月日をこのようによびました。その組み合わせは60通りあり、60日に一度めぐってきます。

 「庚申」の日の夜には人々は寝ずに一夜を明かす守庚申を行います。言い伝えによると、人のお腹のなかには「三尸の虫」という虫がいて、庚申の日の夜に人々が寝静まってから体からぬけだし、その人がしてきた悪事を天帝に告げにいくといわれています。すると、天帝が天の邪鬼に命じてその人に罰を与えるので、人々は三尸の虫がぬけださないように寝ずに過ごしたというわけです。

 それでも心配な人は天の邪鬼が嫌いな「身代り猿」を家の中に吊るしたり、三尸の虫の嫌いなコンニャクを食べて悪魔を退散させるのです。

 「庚申まつり」には、コンニャクを食べる習わしがあり、3000人分ものコンニャクの田楽を参拝者に振る舞ってきました。しかし、一昨年の夏に猛威をふるった病原性大腸菌O157の影響で、「庚申まつり」は中止せざるを得なくなりました。いずれまた、まつりを復活させたい所存でございます。その節はどうぞお参りください。

   
ルーツは敦煌?-身代わり申-シルクロードを通 って奈良町へ
 

 「身代り申」のルーツは敦煌にあり、シルクロードを通って奈良にきたのではないかと注目されています。

 1987年に奈良県立美術館でイギリスの「大英博物館所蔵日本・中国美術名品展」が開かれた時のことです。展示品 の一つに、敦煌石窟の祭壇等にかける祭具として使われた唐代の垂れ幕(縦51m、横l83cm)に、「庚申さんの身代り申」と同じものがついていたのです。手足をくくり、お腹に帯をしているところまで「身代り申」とそっくりで、新聞やテレビで放映されました。
  中国では猿は悪魔退散のお守りと考えられて、三蔵法師も旅の道中のお守りに申のぬ いぐるみを馬の鞍につけていったといわれています。それが後世には、法師をお守りする孫悟空の物語になったと伝えられています。

《ご注意》
「身代り申」や「くくり申」等に関する総ての権利は法律の定めるところにより、当注資料館が正当に取得しています。もしこの贋物を作り、それを販売する等の行為をした場台は罰せられますので、ご注意ください。
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